

取組の特色
前述した取組の3つの柱に共通の特色としてあげられることは、第1に、シミュレーション教育の教育としての優位性であるところの、「体験を通じて学ぶ」ことを徹底し、この優位性が発揮できるような、先進的な分野への適用と教材開発を意識して進めることにあります。第2に、実施するだけ(いわゆる「やりっぱなし」)で終わらせるのでなく、絶えず教育効果やパフォーマンス評価方法の洗練をめざすフィードバックを重視していることです。第3に、すべての企画に市民の模擬依頼者や模擬裁判員の参加を求め、市民の目線で教育手法を問い直していこうとしていることです。いずれの面においても、我が国の21世紀に求められる専門職教育における最高水準の試みであると自負するものであります。
取組の有効性
1.裁判員制度と刑事シミュレーション教育
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市民を交えた議論を通じて、学生は、刑事実体法と手続法の理解を深めるとともに、市民にわかりやすく法的概念を伝えるコミュニケーション能力の重要性や人を説得することの難しさを体験するはずです。
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A |
現在、裁判員制度に対する市民の理解は高いとは言えませんが、ロースクールが地元の市民に模擬裁判員を演じていただくことを通じて、市民に対する法教育を実施する機能を発揮することにもつながります。 |
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B |
シミュレーション授業を通じた教材開発(刑事公判手続の重要部分に応じたシナリオやビデオ教材やマニュアルを含む)を行うことで、より広い範囲(弁護士会や、一般の市民講座なども含む)で市民が裁判員制度を擬似体験する機会を提供することが可能となります。
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民事シミュレーション教育プログラムへの市民によるパフォーマンス評価と学生の自己評価
システムの統合 |
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この取組においては、第1に、第三者および自己による「擬似体験」の評価の客観化・理論化を通じて、法科大学院教育におけるすぐれた教育効果をあげることが可能となります。
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A |
更に広い視野に立った有効性も見いだされます。すなわち、医学教育においては臨床実習に必要な技能や態度を評価するためのOSCE(客観的臨床能力試験)が試行され、医師国家試験への導入も検討されていますが、法律専門職教育におけるシミュレーション科目に適合的な試験としては、模擬依頼者(SC)を活用したパフォーマンス・テストを行うことが考えられます。将来的には司法試験にパフォーマンス・テストを導入することも検討に値しますが、本取組は、パフォーマンス・テストの実験的導入とその結果の分析・研究に着手しようとするものであります。 |
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B |
すぐれた評価システムの構築は、弁護士になってからの生涯教育の過程におけるパフォーマンスのチェックとしても汎用性を有するものであり、この面での有効性も存在します。 |
3.その他の新しい分野での市民の協力を得たシミュレーション教材の開発
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この取組においても、大きな教育効果をあげ得ると思われますが、いずれも先端的な分野・企画であり、ここでも弁護士等の法曹になってからの生涯教育の過程におけるシミュレーション教育への汎用性・応用性を見いだすことが可能です。 |
関係団体等との連携方法
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「法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム」(2004年度〜2006年度)の中で養成講座を終えた市民の模擬依頼者(SC)20数名によって関学SC研究会が組織されていますが、同研究会とタイアップして、模擬依頼者(SC)としてのスキルアップを図るとともに、新規のSC養成講座も実施していくことを計画しています。
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模擬依頼者(SC)を活用したシミュレーション教育は法科大学院教育にとどまらず司法修習や弁護士の継続研修にも活用できる手法であることから、大阪および兵庫県の各弁護士会等にも協力を呼びかけて具体化を図っていくことを計画しています。
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取組の経過や成果等に関する情報公開の方法
「法科大学院等専門職大学院形成支援プログラム」(2004年度〜2006年度)と同様に、ホームページ上で随時情報公開していくほか、各取組はパフォーマンス企画が多いので、成果をDVD等に編集したうえで、先進的な教育方法として視覚教材化し社会に還元していきます。あわせて、成果を研究論文にまとめるとともに、シンポジウムによって対外的に発表し、書籍による出版も行う予定です。
